指導医からのメッセージ

小児科医はこどもの総合診療医。研修医のうちにどれだけ幅広い疾患を診るかが鍵!

外来、病棟、NICU。偏りのない環境が良い小児科医を育てる

小児科の取扱う疾患はとにかく幅が広いです。とは言え研修期間は限られていますので、頻度の高い疾患を優先的に且つ幅広く、学ぶべき分野を逃しのないように研修できるよう努めています。特殊性の高い疾患を主に扱う病棟業務中心で研修期間が終わってしまうと、いわゆるcommon disease (日常的に高頻度で遭遇する疾患) を診る機会を逃してしまう恐れがあります。極端な話をすれば、半年間研修をしても水痘を診たことがない…なんて事態にも。どんなに良い病院で研修を終えたとしても、それは良い研修とは言えないし良い小児科医にもなれません。入院と外来の疾患はまるで違います。入院を必要としないお子さんの病気は非常に多いです。本来研修はcommon diseaseの診療を習得した上で専門的な疾患を学ぶべきかと思うので、優先順位をつけて効果的な研修ができるよう心掛けています。

そういった意味でも、西部病院はとてもバランスのとれた環境だと自負しています。救急は二次が中心なので、入院が必要な重篤な疾患もありますが、そこで手一杯な状況になってしまう程ではなく、一般の外来診療も研修することが出来ます。さらに当院では希望が有ればNICUの研修もできるので、小児科の研修施設としては大きなメリットになるのではないでしょうか。僕は新生児専門のドクターではありませんが、新生児科の研修は興味深く、感動的な記憶が残っています。是非、短期間でも研修することをお勧めします。

専門家がすぐ近くにいる環境で、医師力を磨く

当院の小児科の大きな特長をひとつあげるとすれば、あらゆる領域に幅広く精通しているということでしょうか。ある特定の分野に力を入れてその道のスペシャリストを揃える大学病院も多くありますが、西部病院で言えば、子供の腫瘍性疾患以外はほぼすべての専門家が揃っています。困った時すぐ近くに各領域の専門医がいてアドバイスが聞けるというのは、学ぶにはとても良い環境かと思います。血友病の分野においては全国でも数少ないブロック拠点病院に指定されていますので、血栓・止血学を学びたい方にはぜひ来ていただきたいですね。

当院は横浜市の小児の二次救急輪番にも参加しており、研修医の先生にも当直の時対応をしていただきます。緊急性の高いものは我々スタッフが前面に立ちますが、基本は最初の問診から診察、検査、治療計画を立てるところまでの一連の対応をしていただきます。はじめの頃は“手技”をどれだけ経験するかに重きを置きがちな研修医も多いですが、実は一番大切なのは、問診、身体所見から病態を思考するプロセスの能力を磨いていくことです。熟練すると、丁寧な問診だけで7~8割診断がつくこともある程です。患者さんや家族の方が話すことをお聞きして、それを記載することは問診ではありません。聞くことではなく聞き出すテクニックも大事で、訴える症状によって必ず聞かなければいけないことも変わってきます。ただ見ているだけでは頭を使うことができないので、基本の問診を重ねることで経験値を増やし、臨床能力を磨いていっていただきたいですね。