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道と名のつく技芸には必ず独自の作法があります。人が何らかの道を求めるとき、作法を実践する前に脳で理解しようと試みます。これは考える脳を獲得した人類にとって極めて自然であり、決して間違っていません。ところが理論だけでは実技はできないのです。医道も同様に唯脳論は通用しません。大学では作法のやり方を学んだに過ぎません。これから本来の医道作法を学ぶのです。国家試験はその許可を得るための前門であり、初期臨床研修は医道作法を学ぶ登龍門なのです。医道は険しく、果てしなく続きますが、正当な作法を身に付けているならば、どのような難局に対しても脳で処理することなく、身体が自然に反応して、柔軟に対応できるはずです。
 医師として初期臨床研修は一生を通じて最も多くの実践的医療知識を得、最も多くの医療技術を体得する最も重要な作法習得期間と言うことができます。とりわけ最初の1年間をどのように過ごすかによって将来の医師像が決まると言っても過言ではないでしょう。喩え通り、鉄は熱いうちに打たなければ強い鋼にはなりません。ヘクトールやジーフリトを目指します。しかし、硬い鋼には弾力がありません。折れやすいのです。2年目には焼きを入れるにしても柔軟性を付与する作業を繰り返します。こうすることで喉笛や肩甲骨の間は鎖鎧で蓋われるでしょう。
これは、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院が基幹型病院として初期臨床研修医を受け入れる基本姿勢であります。